4月6日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために第1戦岡山、第2戦富士、第3戦鈴鹿に加え、第4戦タイ、第5戦マレーシアの延期を発表する一方で、今後の開催予定についての『検討案』を提示した。全世界的にモータースポーツが大きな影響を受けているなかで、全8戦開催を維持するべく、あくまで現段階で『案』ではあるが、合理的な変更がされていると言える。
新型コロナウイルスの影響で、日本国内でもスーパーGTをはじめ全日本スーパーフォーミュラ選手権やピレリスーパー耐久シリーズなど、多くのシリーズが開幕戦を迎えられない状況が続いているが、そんななかでスーパーGTは6日、海外2ラウンドの延期と今後の開催向けた検討案を提示した。
詳細なカレンダーは下記に記すが、6月28〜29日に、直前で延期された富士スピードウェイでの公式テストを実施。7月11〜12日に岡山国際サーキットで、8月8〜9日に富士でレースを開催する案が示されている。新型コロナウイルスの収束状況などで今後も情勢は予断を許さないが、“案”が示されたことは、ファンにとっても少し安心できる部分はあるのではないだろうか。
2020年は当初、東京オリンピックの開催のため、自転車競技の会場となっていた富士スピードウェイが夏の間使用できない状況になっていたが、オリンピックが2021年に延期されたことで、使用できる可能性が出てきたことがこの案に反映されたと思われるが、例年夏には富士でレースがあり、実現できればファンにとっても参加者にとってもやりやすいはずだ。
現段階で第3戦に予定されていた鈴鹿はまだ日程が決まっていないが、スーパーGTとしては海外2戦をのぞき、なるべく開催順序を変えたくない様子。また9月のSUGO以降、10月のオートポリス、11月のもてぎと、この3戦は当初予定どおりのスケジュールで、この3戦に関する影響が少ないないことも、現状を鑑みれば大きいだろう。
また、タイ、マレーシアの2戦は12月、もしくは2021年1月の開催で調整中と発表された。7月以降にシリーズが開幕することを考えると、海外の2レースはマシンや機材の輸送に前後1ヶ月ずつかかり、シーズン中盤に挟むことは得策ではないことから、例年のオフにあたる期間である12月以降となったと推測される。
この海外2戦に関しては、12月に開催することでのメリットもある。7月に開幕して、毎月1戦以上を開催しても11月まではかなり日程がタイトになることが予想される。12月以降は冷え込みが厳しく、とてもではないが日本国内ではレースをするのは厳しい状況だ。
しかしタイ、マレーシアであれば暑いなかでレースができる。さらに2021年シーズンまで考えると、例年12月、1月にミシュラン主催のスーパーGTウインターテストが行われており、GT500チームはそのままマシンを置いておけば輸送のコストも軽減することができる(テストを行うかは分からないが)。さらに、例年のデータが使いやすいこともメリットだろう。
セパンでのウインターテストは例年、夕刻に雨が降ることも多く、ひょっとするとマレーシア戦では天候による波乱が起きる可能性もある。もしここが最終戦となれば、思わぬチャンピオン争いの結末を演出するかもしれないが、それでもやはり8戦を開催することが重要だ。
また今季はレース開催時期が変わることで気温も変わり、7月の岡山などラウンドによっては今までにない展開となる可能性もある。東日本大震災の影響で開幕に影響があった2011年も、開幕前テストができなかったことで予想外の展開があった。今はじっと開幕を耐えつつ、スーパーGTが提示すれた検討案でのレースをイメージしながら、例年以上に予想がつかないシーズンを今は楽しみにしたい。
from 現状のなかで理に適ったスーパーGT代替日程案。2020年シーズンは今までにないかたちになるか?
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