2019 AUTOBACS SUPER GT Report
SUPER GT X DTM Dream Race
SUPER GT×DTM特別交流戦
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆11月24日(日) RACE2
公式予選総合結果 10位
決勝結果 20位
DTMドイツ・ツーリングカー選手権の7台のマシンが、SUPER GTに参戦するGT500クラスの15台のマシンと競い合う、歴史的なレースとなった『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM 特別交流戦』。決勝レース1が行われた11月23日(土)のレース1から一夜明け、富士スピードウェイでは決勝レース2が行われる11月24日(日)を迎えた。レース1で上位進出の手ごたえを得た立川祐路に代わり、この日のZENT CERUMO LC500は石浦宏明がステアリングを握る。
迎えた午前9時からの20分間の予選は、朝方から降っていた雨は止んだものの、路面は完全なウエットコンディション。土砂降りだった11月22日(金)のプラクティスではブレーキのトラブルに悩まされたが、石浦はその感触を確かめながら、まずは2周目に1分58秒705をマーク。さらに翌周は1分47秒829、さらに4周目に1分47秒822にタイムを上げ、その時点での6番手につけた。
一度ピットに戻り、2セットめのタイヤに交換した石浦は再度アタックに入っていき、9周目には1分47秒764にタイムアップを果たす。ただ、これはアタック周にラップダウンに阻まれてしまったもの。もう少しタイムは縮められる感触があった。
最終的に、今回使用されるハンコックのワンメイクタイヤでウエットコンディションに一日の長があるDTM勢や、車両レイアウトでウエットを得意とするNSX-GT勢もタイムを上げ、ZENT CERUMO LC500の石浦の順位は10番手という結果となった。とはいえ、レクサスLC500のなかでは2番手。午後の決勝ではコンディションも好転する予報があったことから、好位置につけたと言える。
ピットウォーク等のスケジュールを経て、午後2時26分にフォーメーションラップがスタートした決勝レース2。昼ごろには晴れ間が広がったが、この時点では雲が広がった。2万4100人の観衆が見守るなか、午後2時31分に前日同様のインディスタイルのスタートが切られた。
石浦はまずスタート直後の混戦のなかで12番手につけると、2周目には前を走る#99 RS 5 DTMのマイク・ロッケンフェラー選手に接近し、4周目にオーバーテイク。さらに6周目には#00 M4 DTMの小林可夢偉選手を抜き10番手へ。さらに4番手を走っていた#28 RS 5 DTMがタイヤトラブルで後退すると、9番手につけた。
しかし9周目、#28 RS 5 DTMから飛散したパーツを回収するために、レースはセーフティカーが導入される。これは12周目に退去するが、前日立川が見舞われてしまったかのように、このリスタート時にグリップが失われてしまう症状が出てしまう。
その後石浦は15周を終えてピットインし、1回以上行わなければならないタイヤ交換をこなす。ここでLEXUS TEAM ZENT CERUMOのクルーは前日に続き素晴らしい作業をみせると、ピットイン前に2台前を走っていた#37 LC500の平川亮選手を抜くことは叶わなかったが、順位を守ってコースに復帰した。
ピットアウト後はペースも良く、前を走る#37 LC500を追っていくが、このレースはアクシデントが多発。20周目に#33 RS 5 DTMのレネ・ラスト選手がタイヤトラブルに見舞われ、25周目までセーフティカーが導入された。この時点で石浦は11番手だ。
26周目、レースはリスタートが切られるが、さらに大混戦となっていく。コカ・コーラ・コーナーでは、上位を争っていた#17 NSX-GTと#8 NSX-GTが接触。#8 NSX-GTがスピン状態となり、石浦はこれを避けるためにアウト側へ避けざるを得ず、順位を落としてしまう。
そんななか、石浦は#36 LC500の中嶋一貴選手の背後につけ13コーナーに差しかかっていくが、前方で順位を争っていた#6 LC500と#19 LC500がヒット。これを避けようとした#39 LC500に#36 LC500がクラッシュしてしまい、行き場をなくした石浦は#36 LC500のリヤにクラッシュしてしまった。さらに、後方からは#3 GT-RもZENT CERUMO LC500のリヤにヒットしてしまったため、前後にダメージを受けた石浦は、マシンをピットに戻さざるを得なくなってしまった。
これでレースを終えることとなり、石浦の最終的な順位は20位という結果となった。悔しいレースとなったが、DTM勢との戦い、そして将来への手ごたえを得たレースとなった。
ドライバー/石浦宏明
「今週はドライで1セッション、ウエットはブレーキのトラブルもあったので、今日の予選からやっといい状態で走行することができました。前日の立川選手からの情報をもとに公式予選に挑みましたが、金曜よりもすごく状態が良く自信をもって走れましたが、2セット目のアタックで引っかかってしまい、タイムを伸ばせませんでした。完璧ではありませんが、手ごたえはあったと思います」
「決勝でも、どんな展開にもなる順位でしたし、立川選手もペースが良さそうだったので、いいペースで走れるよう狙っていきました。序盤はDTM勢と速い部分が違い、なるべくコーナーで前に出るようにしていき、終盤へ向け1台ずつ抜けば良い戦いになると思いましたが、セーフティカーが出るごとにタイヤのフィーリングが急激に変わってしまいました」
「最終的には、13コーナーで前のアクシデントで止まりきれず、巻き込まれてしまいました。避けられなかったのは残念です。結果が残りませんでしたが、レース自体はすごく面白いレースでしたし、やっと分かって来たところで終わってしまったので、またこういうレースがあるときのために、今回得られたことをしっかり整理して、今度は優勝争いできるようにしたいです」
立川祐路総監督
「激しいレースでしたね。石浦選手の本来の実力からすればもう少し上位に食い込める手ごたえはありましたが、予選からあまり流れが良くなかったです。最終的には他車のアクシデントに巻き込まれるかたちでレースを終えてしまったのは残念です」
「ただこれもレースですからね。仕方ないです。今回は特別戦でしたが、来季に向けて得たものも多いですし、2020年のシリーズ戦に繋げられると思っています。これからシーズンオフもチーム一体となって体制をつくりたいと思っています。今シーズンもたくさんのご声援ありがとうございました」
村田淳一監督
「今年も一年間ありがとうございました。スポンサーの皆さま、ファンの皆さまにご声援いただけたおかげでシーズンを終えることができました。予選ではトラフィックもありタイムを出せませんでしたが、ポテンシャルとしてはもう少し上位にあったと思っています。金曜までの悪い流れから、土曜に立川選手が得てくれたいい部分を活かせたのではないでしょうか」
「レースでもペースが良くて、これから着実に……と思っていたところでセーフティカーが出たり、タイヤのトラブルもありましたが、再度仕切り直し……というところでアクシデントに見舞われてしまいました。結果はともないませんでしたが、メカニックはこの2日間、タイヤ交換でかなり速い、完璧な作業をしてくれたと思います。来季に向けていい自信がついたと思うので、こういったいい内容を続けながら、来季いいかたちで準備をすることができればと思っています」
from LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2019スーパーGT×DTM特別交流戦 レース2レポート
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