3戦目にしてようやく完全ドライの決勝&週末となったスーパーGT第3戦鈴鹿300km。ドライでの純粋なバトルが楽しめると期待されたレースだが、その期待に沿うようなトップ争いが行われた一方、GT500クラスでは半数以上のチームがアクシデントやトラブルに見舞われた。ここではレース後の取材で判明したものをまとめた。
●#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R:スタート違反でドライブスルーペナルティ
グリーンシグナル後、スタートラインを通過する前にヤン・マーデンボローが前の車両の前に出てしまいペナルティ。
●#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R:セーフティカー中のオーバーランでペナルティストップ10秒
平手晃平がセーフティカー中に130Rで飛び出してしまい、10秒ストップのペナルティ。
●#64 Modulo Epson NSX-GT:ピット作業違反でドライブスルーペナルティ
●#12 カルソニック IMPUL GT-R:オーバーヒートによるエンジンブロー
45周を過ぎたあたりで佐々木大樹がGT300と1-2コーナーで接触してしまい、カルソニックはラジエターを破損。そこから水漏れが発生してしまい、ファイナルラップでエンジンがオーバーヒートしてしまいブローしたのだという。レース後、GT300との接触でドライブスルーペナルティ相当の32秒加算のペナルティ。
●#16 MOTUL MUGEN NSX-GT:タイヤのスローパンクチャーで戦線離脱
予選6番手から好スタートもその後、内圧設定が合っていなかったようでペースダウン。ピットインで作業時間の早さと中嶋大祐に乗り変わってペースを取り戻して5番手まで順位を上げるも、36周目にタイヤがバーストしてしまう。中嶋大祐が振り返る。
「序盤は内圧設定の関係で苦しい展開になってしまいましたけど、第2スティントでそこをアジャストしてピットも早くて前に出て、その後のペースも良くてトップグループに付いていくことができて非常にいい展開だったのですが、後半に向けてチャンスをうかがっている矢先にタイヤがバーストしてしまいました。デグナーあたりから左リヤタイヤからエアが抜け初めて、内圧の表示を見ていたのですけど、スプーンの手前で完全にエアがなくなってしまいました」
「残念ですけど予選でも決勝でも速さを見せられて、タイヤ、セットアップ、今までやってきた方向性は間違いなく合っていました。この鈴鹿はタイヤに厳しいところですので耐久性の面は気にしていませんので、それよりも次のタイはヨコハマタイヤ的にもクルマ的にも得意なところですので、すごく楽しみにしています」と大祐。
●#1 RAYBRIG NSX-GT:GT300との接触によりタイヤバーストで戦線離脱
ジェンソン・バトンに乗り変わった第2スティント、5番手を走行中の43周目のデグナーで右側のGT300マシンと並走した形となったバトンは、先にデグナーで飛び出した別のGT300マシンが左サイドからコースに戻ってきたタイミングで接触。バトンは右に別のGT300マシンがいた関係上、逃れる場所がない状況だった。このGT300との接触により左フロントタイヤがバーストして緊急ピットで13位フィニッシュ。レース後、バトンは報道陣の取材に応えることなくサーキットを去った。
●#17 KEIHIN NSX-GT:クラッシュでリタイア
8番手走行中の32周目、ステアリング握っていた塚越広大がストレートでスローダウンしてマシンをピットロード出口の芝生に止めた。その後取材で、手前の最終コーナーでクラッシュしていたことが判明。レース後の塚越が話す。
「1号車(RAYBRIG NSX-GT)を追っている状況で最終コーナーを曲がったときにGT300クラスのマシンもいたのですけど、1号車に近づいて抜くチャンスと思ってアウト側にラインを変えた時にリヤがスライドして、それに自分が対応できなくて、そのまま内側のガードレールにぶつかってしまいました」と塚越。高い速度でガードレールにクラッシュしたことでマシンは思いの外、損傷が大きく、右フロントまわりが完全に壊れており、モノコックにも影響が出ているという。
「エンジンはおそらく大丈夫だと思いますが、モノコックは破損しているのでこれからチェックしなければなりません。損傷の度合いによってはモノコックの交換の可能性もあるかもしれません」と話すのはホンダの佐伯昌浩GTプロジェクトリーダー。この鈴鹿の次はタイ戦になり、船便で輸送することになるが「間違いなく船便には間に合いませんので、空輸になるでしょう」と佐伯リーダー。チームとホンダにとっては大きな代償となってしまった。
●#23 MOTUL AUTECH GT-R:タイヤバースト、またはサスペンショントラブルでリタイア
17周目の130Rで高い速度のまま曲がりきらず、オーバーランしてスポンジバリアにクラッシュ。スロー映像で右フロントの車高が落ちてフロアが路面に接触して、火花を散らながらコースオーバーしていく様子が映し出された。
このMOTUL AUTECH GT-Rのクラッシュによってセーフティカーが導入。ステアリングを握っていたロニー・クインタレッリは無事の様子でパドックに戻り、「フロントの右タイヤがバーストした。急なトラブルでびっくりしました。身体は問題ありません」とテレビのインタビューに答えた。レース後、チームへの取材ではタイヤバーストではなくサスペンションのトラブルを示唆するコメントもあったが、原因の詳細は不明のまま。
from サバイバル戦となったスーパーGT第3戦鈴鹿GT500クラス、レース後に判明したトラブル、アクシデントまとめ
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